2020年7月の絵本

【うさぎのニコラス」

「ながいながいよる」文:マリオン・デーン・バウアー  絵:テッド・ルウィン  訳:千葉 茂樹

・表紙には、赤いきのこで雨宿りする赤いオーバーオールのうさぎの子。可愛いおめ年出版めと柔らかな毛並みに思わず絵本を開きたくなります。ちょっとこぶりな縦長の絵本です。ページを開いていくと、四季折々の花や生き物たちが美しく精密に描かれていて、直ぐにその世界に入り込んでしまいます。原書「I am a Bunny」は1961年出版。どこか懐かしいようなクラシカルな魅力に溢れています。

 

 

 ・絵:リチャード・スキャリー

・作:オーレ・リソム・訳:木坂 涼

・出版社/工学社/2016年06月21日発行

 

 


*めめさんの心のつぶやき*

・私の7月のbirthdayに京都の絵本セラピストのサリーちゃんから頂いた絵本です。赤い包みを開くとおとぎの国の扉が開いたかのような絵本が現れました!赤いオーバーオールのおめめの可愛いうさぎ、色鮮やかに広がる森の四季折々の豊かな恵み。草木も花も生き物たちもみんな生き生きと描かれていて、絵本を隅から隅までゆっくりと眺める時間もサリーちゃんからプレゼントしてもらいました。「めめさんの世界はきっとキラキラと希望に満ちているのではないかと思ってこの絵本を贈ります。巡り合いに心からの感謝を」とメッセージを頂きました。絵本を贈るとき、その相手のことを思い描いてどんな絵本がいいかなぁと決めます。どんな絵本を頂いても嬉しいのですが、私のことを思い出してくれたそのことに深い喜びを感じます。大切な絵本が1冊増えました。サリーちゃん、ありがとう💛

 

【星につたえて

おもちのかみさま 札幌在住の絵本作家:かとうまふみ

 ・まだ生きものといえば、海のクラゲしかいなかった頃のおはなし。いっぴきのクラゲが夜の海でほうき星から声を掛けられ楽しい一夜を過ごしました。クラゲは、星に伝えたいことがありましたが、星が再び夜空に現れるのを待つ間に年老いてしまいました。ちいさなクラゲと一人ぽっちで旅するほうき星の切なく愛しい物語。

 

 

 ・文:安東みきえ 絵:吉田尚令 

・出版社 / アリス館 / 2017年12月12日

 

 

 


*めめさんの心のつぶやき*

・先日、絵本セラピストの友人が星をテーマに絵本を選書していました。私ならどの絵本にするかな?と思って選んでみたのがこの絵本です。星とクラゲ、互いに違う世界に生きる者同士、互いに知らない世界の話を一晩中おしゃべりしました。まるで夢ような一夜を明かします。「また今夜会えますか?」クラゲはほうき星に尋ねます。「何百年か経てば、またここを通るかもしれません。」クラゲは、大事なことを言おうと思っているうちにすっかり日がのぼり夜が明けてほうき星は見えなくなってしまいました。。。やがて年老いてクラゲはきえてしまいました。小さなクラゲの透明で柔らかくその頼りなさがこのお話の切なさをそそります。ちいさなクラゲの想いは、子々孫々までに語り継がれ、今では人間が大切な人に伝える愛の言葉になっているのですね。夜空を眺めながらこんなお話を誰かと一緒に楽しみたいですね。

おかあさんとお子さんの7月の絵本

【おこだでませんように】

【10ぱんだ】写真:岩合光昭 分:岩合日出子

・「ぼくはいつもおこられる」なにをしても自分の気持ちと裏腹にみんなから怒られてしまうぼく。本当はお母ちゃんにも先生にもほめられたいのに・・・「ぼくはほんまにわるいこなんやろうか」そんなぼくが七夕さまの短冊に書いた願い事は「おこだでませんように」でした。作家のくすのき先生が優しいまなざしで子どもたちの揺れる心を代弁してくれています。

 

・作:くすのきしげのり 絵:石井聖岳

 出版社/小学館 発行日:2008年06月発行

 


*めめさんの心のつぶやき*

・くすのきせんせいの絵本が好きです。子どもたちの言動には、子どもたちのその時々の揺れる心があることを大人の私たちは忘れがちです。私は、この絵本を読むと時間がないとか体裁とか、日々おとなの都合を優先していることに気付きました。小さな体でこんなにも繊細にそして一生懸命に生きている子どもたちの気持ちに気づける大人でありたいと思います。ぼくの消しゴムはボロボロ、えんぴつの後ろは歯形がついています。くすのきせんせいは、テキストだけではなく絵の中にぼくの心模様をいくつも映し出しています。

【クマと少年】

【ペンギンがとぶ】ひだのかな代

 ・かあさんのおっぱいを一緒に飲んで本当の兄弟のように育った少年とクマのキムルン。北海道の大自然の中で伸び伸びと遊び、成長した兄弟。キムルンが成長したころアイヌの人々にとって最高神であるクマを天に帰す儀式の日イオマンテがやってきた。山の神クマとアイヌの少年をめぐる壮大な命の物語。

 

 ・作・絵:あべ弘士

出版社/ブロンズ新社・2018年05月25日発行

 

 


*めめさんの心のつぶやき*

・北海道には、アイヌのという先住民族が住んでいました。私は残念ながら北海道に生まれ育ったのにアイヌ文化にあまり触れずに今日に至ってしまいました。小学校の現地学習で学んだ程度の記憶しかありません。目を背けたくなる出来事も含めて子ども達に歴史を伝えていくのは大人の使命だと思います。今年の7月12日に白老町にウポポイという民族共生象徴空間がオープンしました。表面的なパフォーマンスではなく、歴史の真実と文化を学べる場であることを望みます。アイヌの伝説には切なさを感じる作品が多いのですが、それが厳しい大自然の中で繰り返される命の営みへの尊厳の表れだと思います。(*ウポポイとは、アイヌ語で「(おおぜいで)歌うこと」)

みんなのおすすめコーナー

【ぼくのたび】

【おかあさんはね】文: エイミー・クラウス・ローゼンタール 絵: トム・リヒテンヘルド 訳: 高橋久美子

 ・2018年3月から「みんなのおすすめコーナー」を作りました!このコーナーでは、全国で約1000人の絵本セラピストさんの中から、私が毎月1名の絵本セラピストの仲間に1冊のお勧めの絵本を紹介してもらっています(#^.^#)

 

28回目のゲストは、山形県山形市在住の絵本セラピスト®「わこちゃん」武田和子さんです。

 

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【あいたかったよ】

仲よしのフロンフロンとミュゼットは、戦争がはじまりふたりの間にいばらのかきねができ 会えなくなってしまった。どうして会えないの?ふたりはかきねをかけ分けてーーー。


 ・作・絵: エルズビエタ  訳:こやま峰子
 ・朔北社

 

 

 

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 < わこちゃんから・・・>

突然のコロナで 会いたい人に会えなくなった体験をした私たちです。 
 以前読んだ絵本「あいたかったよ」が 蘇ってきました。戦争であえなくなったふたりの子どもたちがいばらのかきねに穴を開けるシーンは閉塞感漂う今 明るい希望につながると思いました。

 読書のアニマシオン研究会でお世話になった翻訳者こやま峰子先生は絵本作家詩人エッセストそして活動家です。その生き方が素敵です。

この本が出版された時、原画展でみやこしさんにお会いしました。絵本と同じようにとても素敵な方でした。みやこしさんがずっと、全てリトグラフだけで描きたかった絵本。モノクロとカラーのページから、旅への憧れ、旅した時の不思議な懐かしい思いが心の中にふわぁっと広がります。なかなか旅行もできない今だからこそ、この絵本を読んで旅する心を楽しんで下さい。

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◆わこちゃん(武田和子さん)の紹介

 ・絵本セラピスト協会認定ー絵本セラピスト®期

 
山形生まれ 山形在住 東京山形で公立学校教員38年 子どもは1男3女
現在は 「笑顔で健康長寿めざして」多方面に活動展開中
山形えほんマラソン 心も体も元気アップ講座等 
月1大人絵本会は45回継続中 
FB:絵本で楽しむ暮らし 
絵本セラピスト®︎シナプソロジーインストラクター 
食と健康アドバイザー等

私は、絵本の活動の進化と深化と変容めざしています。

 

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*めめさんの心のつぶやき*

・今月の全国の絵本セラピストさんは、知的で心ホッカホカのわこさんこと武田和子のご登場です。わこさんとは昨年の春に滋賀県の比叡山にある行動科学研究所で絵本セラピストの講座に参加した時にご縁を頂きました。その後は、仙台で行われた絵本図書館ネットワークのフォーラムで再会し、今年の3月から今日までオンライン絵本会で一緒に活動させて頂いています。わこさんは長い教員生活で培った経験と知識を惜しみなく周りの人にお伝えし、常に学びの姿勢でハツラツと生活されているのがとても魅力的です。わこさんのおススメの絵本を是非とも手に取ってみてくださいね。

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